新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年前後から、人々の生活様式や人間関係は大きく変化していきました。
外出自粛やリモート生活の長期化により孤独感を抱える人が増え、その解消策の一つとして「ラブドール」の需要が世界的に高まっています。
本記事では、2022年以降から現在(2025年)までのラブドール需要急増の背景を分かりやすく解説していきます。
また、最新のトレンドであるAI搭載機能やカスタマイズ性の向上、そしてユーザー層の多様化について具体的なブランド名(例:SheDoll、FuDoll、YearnDoll)や販売店(例:KanaDoll、MailoveDoll、RosemaryDoll)も交えて紹介します。
どうして今ラブドールの需要が高まる?

2020年から続いたコロナの影響で外に出る機会が一気に減り、人と会う機会が少なくなりました。
その事によって、なんとなく孤独を感じる人が増えたのは多くの人が実感した筈だと思います。
日本でも緊急事態宣言が発令されたりして「不要不急の外出はやめましょう」っていう状況がしばらく続いて、仕事も買い物も遊びも色々と規制。
店も早く閉まったりして休日の楽しみもなくなり、自宅で過ごす時間が劇的に増えたのはまだ記憶に残っていると思います。
そんな情勢の中で寂しさを紛らわせる手段として注目を集めたのがラブドール。
例えば日本の老舗メーカーであるオリエント工業ではコロナの時期にラブドールの売り上げが伸びたのだそうです。
国内や海外からの注文も増えてラブドールの需要が世界中で注目されたとの事。
人に会えない。恋人もいない。そんなときに心のよりどころになったのがラブドール。
まるでパートナーのように傍にいてくれる存在として、少しずつ世の中に広りを見せ始めました。
興味深いのが欧米では独身男性だけでなくカップルでラブドールを買うケースも増えたことです。
ある海外の通販サイトでは独身男性の注文が約51%増加してカップルの購入が約33%増加したって話もあります。
恋人との関係を新鮮にしたいとか、新しい楽しみ方を見つけたいとか理由は色々とあるのでしょうがコロナで自由が奪われてストレスなどが溜まっていった生活に自分だけの癒しやカップル同士でのマンネリ解消や自宅での新しい遊び方など新体験を求めてラブドールを求めた人が増えていったのだそうです。
人と会えない時代に求められた「触れ合い」と「癒し」
人と直接触れ合えない孤独な状況が続く中で人々は画面越しでは得られない温もりや触感を求めるようになりました。
そしてオリエント工業では従来は視覚的リアルさや機能性ばかり重視されていたラブドールにおいて新たに「香り付き」オプションを新たに開発。
この香り付きラブドールは発売当初こそ手応えが不明だったもののコロナ禍では購入者のほとんどがそのオプションを選択したと言います。
オリエント工業の小澤氏は「人と会えなくなって、写真や映像では感じられない“触感”や“匂い”が求められたのでは?」と分析しており、まさに人間らしい感覚を埋める存在としてラブドールが求められたことを示唆しているのではないでしょうか。
また実際に人に近い存在と一緒に眠ることで安心感を得られるという研究結果も報告されているそうです。
小さなフィギュアやぬいぐるみではなく、あえて等身大のリアルなドールが選ばれるのは人間の体温や重みを模した存在から心理的な癒しを得やすいためだからなのだと分析がされています。
例えば、ある女性ユーザーはオリエント工業の指に骨格が入ったドールの手を握りしめ「手を繋げるのがとても良い。癒される」と語っています。
孤独な時にそっと寄り添い、話さなくても傍にいてくれる存在としてラブドールは大きな精神的支えになり得るのだと思います。
ラブドールの売上がコロナ禍で急増。オリエント工業が語る、人と会えなくなる中で“求められたもの

さらに人間関係に疲れた人にとってはラブドールは心の安全地帯ともなりました。
対人コミュニケーションにはストレスや傷つくリスクが伴いますが、ドール相手であれば拒絶や裏切りの心配がありません。
実際、米国のあるドールオーナーは「人間との関係は心が傷つくリスクがあるが、ドール相手ならその心配がない」と語っています。
現実の恋愛ではなくドールを選ぶ心理には人間関係の煩わしさを避けたいという面もあったと考えられますね。
コロナや時代が後押しした価値観の変化と社会受容

コロナ禍をきっかけに、私たちの「性自認」や「人とのつながり」への考え方にも変化が出てきました。
外出自粛の間、ポルノを見る人が増えたりマッチングアプリの利用者が増えたりと、“オンラインだけのつながり”が主流になりました。
でもその反面、実際に触れ合える相手がいない「寂しさ」や「虚しさ」を感じる人も多くなったんです。
そんな中で注目を集めたのが「ラブドール」。
見た目は人間そっくりで、触れることもできる存在。こうした実体のあるパートナーを求める動きが出てきたわけですね。
その結果、ラブドールという存在が少しずつ世の中でオープンに語られるようになり市場も広がっていきました。
実際、2023年には世界中のラブドール市場が約30億ドル(約4500億円)もの規模に成長し、2030年までに約100億ドルに達すると予想されています。
これはまさに「孤独パンデミック」とも言える現象。
特に若い世代を中心に友達や恋人がいない人が増えていて自分だけの安心できる存在を求める人が多くなっているのかもしれません。
日本でも昔は「ダッチワイフ」と呼ばれ、ちょっと恥ずかしいものとされていたラブドールですが最近では考え方や意識などが変わってたのかなと思います。
例えばアート作品や趣味の一部として楽しむ人も増えていて、2017年に開催されたオリエント工業の展示会では来場者の6割が女性だったという意外なデータもあります。
今では「デッサンのモデルに使いたい」「お気に入りの服を着せて写真を撮りたい」といった性的な目的とは別の理由でラブドールを利用する人も増えています。
とくにアニメやフィギュア文化が根付いている日本ではキャラクターを愛でる感覚でラブドールを鑑賞用として迎える人も多くなっているのではないでしょうか。
「黙って話を聞いてくれる存在がほしい」「部屋に置いて癒されたい」そんな事を思っていたり考えている人は世の中に非常に多いと思います。
こうした声に応えるように最近では性機能を持たない観賞用モデルも発売されるようになりました。
今やラブドールは単なる性的な道具ではないのかもしれません。
癒しの存在、趣味のパートナー、クリエイティブな活動のモデル、さらには部屋のインテリアとしての役割まで持つようになっています。
こうした価値観の広がりがラブドールの需要が一気に高まった理由のひとつと言えるのだと思います。
2025年現在のラブドール最新トレンド

AI搭載の次世代ラブドール
最近のラブドールは日々どんどん進化しています。
その中でも特に注目されているのがAI(人工知能)を搭載したタイプのラブドールです。
たとえば中国の有名なメーカーStarpery(スターペリー)では人と会話ができるラブドールの開発が進められています。
まるでChatGPTのようなAIを使って会話したり相手の言葉にうなずいたりする試作モデルが登場しているとの事です。
今までのラブドールは見た目がリアルなだけの人形というイメージですが、これから先は誰かの声に反応して話をしたり身体が動かせたりといった会話できるラブドールが現実になろうとしています。
まるで映画に出てくるアンドロイドのようにラブドールと心のやり取りができる時代がすぐそこまで来ているのかもしれません。
既にアメリカのRealDoll(レアルドール)という会社ではHarmony(ハーモニー)というAIシステムを一部製品に搭載していてスマホと連携してドールと会話ができるようになっています。
2025年現在、中国やアメリカを中心にさまざまな企業がこの“お話できるラブドール”の開発を競い合っていて近い将来には普通に買えるラブドールに「話しかけると返事をしてくれる」ような機能が搭載されることでしょう。
ラブドールはただの人形から一緒に過ごせるパートナーへと変わってくる凄い時代が目前まで迫っています。
進化するカスタマイズ性と品質
最近のラブドールは見た目だけでなく、中身のこだわりもすごいです。
ユーザーの細かい希望に応えるカスタマイズ性の高さがラブドール選びの大きなポイントになってきています。
たとえば顔立ち・髪型・肌の色はもちろんの事、胸のサイズや体型、目の色、メイクの濃さ、指先のネイルまで選べるメーカーもあります。
まさに自分だけの理想の女性を作る感覚です。
その中でも注目なのが中国の高級ブランドYearnDoll。
シリコン製のメーカーなので価格は高めですが、それに見合う細かいオーダー対応と仕上がりのクオリティが凄く魅力。
キャッチコピーに夢を現実にするラブドールと掲げているように細部にまでこだわり抜いた1体のラブドールを作りたい方に支持されています。
カスタムの例としては、以下のようなオプションがあります。
体が温まる内部ヒーター機能
胸やお尻の柔らかさを選べる設定
指先まで動かせる骨格内蔵モデル
関節の可動域を広げたポージング重視タイプ
日本の老舗有名ブランドのオリエント工業でも指の骨格や目の向きを動かせるギミックなど、写真撮影や自然な表情づくりに役立つ仕様が注目されています。
さらに最近ではラブドールの素材そのものも進化中で、医療用にも使用されているシリコンを応用して肌の質感が本物の女性に近づいてきています。
TPEも改良され、以前よりも耐久性・安全性がグッと向上しています。更に最近になりS-TPEと呼ばれる新素材も使われるようになりました。
中国のFuDollは日本のデザイン会社と共同で3Dモデリング技術を活用しながらデジタルアイドルのような理想のキャラを立体化。
ちょっと変わった切り口が話題です。
もう少しリーズナブルな価格帯で探している方にはSheDollもおすすめ。
TPE素材でコストを抑えつつも、丁寧に作られたボディラインや顔立ちは多くのユーザーに人気です。
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広がるユーザー層と多様な利用目的
かつてラブドールの典型的なユーザーは中年男性が中心と考えられていましたが、2025年現在ではユーザー層が大きく広がっています。
まず前述したように女性ユーザーの増加は顕著となってます。
オリエント工業によれば展示イベント来場者の女性比率が年々高まるだけでなく、実際の購入者についても女性からの問い合わせや注文が伸びているとのことです。
女性がリアル系ドールを求める動機は様々で男性型のラブドールをパートナー代わりに迎えるケース(性的な目的や癒し目的)、あるいは女性型ドールを「着せ替え人形」の延長として愛好するケースなどがあります。
特に後者ではドールにお気に入りのファッションを着せてSNSに写真を投稿するといった楽しみ方も広がっています。
ドールが一種のコレクションアイテム・ホビーとして受け入れられている側面が誕生しつつあるのです。
またLGBTQ+層のユーザーにもラブドール市場は応え始めているように感じます。
男性向け・女性向けという従来の二分類にとどまらず各メーカーは多様な嗜好に合わせたモデルを多く展開していて、女性の身体に男性器を備えたトランジェスター風なラブドールや中性的な見た目のラブドールなども近年では多く登場してきています。
ユーザーの年齢層も多様化していて、20代・30代の若年層はもとより40代以降の中高年、さらに孤独を抱えやすい高齢者までラブドールを購入しています。
このようにラブドールは老若男女・あらゆる性指向のユーザーに受け入れられ、その利用目的も性的なものから精神的な癒し、美的鑑賞、趣味嗜好まで多岐にわたっているのが現状です。
ブランドとラブドールの充実
2020年のコロナ以降、人気が上昇してきている中華製のメーカーはいくつかありますが次に挙げるメーカーは日本でも非常に人気があります。
SheDoll
中国の先端メーカーの一つ。TPE素材を用いたコストパフォーマンスの高いリアル系ドールを製造。
FuDoll
日本のデザイン会社と協業し先進的な3Dモデル技術を採用。
デジタルアイドルを実体化するコンセプトも持つブランド。
YeranDoll
高級フルシリコン製のブランドで豊富なカスタムオプションと内部機構の高度化により高い支持を得ている。
WMDoll
中国ではトップクラスに人気のあるメーカー。
ラブドール業界最大手で多種多様なラインナップが豊富に揃っている。
これらのメーカーは公式サイトや各ラブドール専門店を通じて世界中にドール達を提供しています。
勿論、日本国内からでも購入が可能です。
海外産のラブドールを手軽に購入ができるラブドール専門の通販店も年々、増えてきております。
国内でも利用者が増えているのが以下のラブドール通販店です。
KanaDoll
新興の中国ブランドを中心に高品質なドールを扱う通販サイト。
ここでしか購入できないようなマイナーなラブドールメーカーも多数有り。
MailoveDoll
高級ラブドール専門の販売店。
中国トップクラスの人気ブランドを多数取り扱う正規代理店でもある。
RosemaryDoll
豊富な品揃えを誇るグローバル通販サイト。
リーズナブルなモデルから高級モデルまで幅広く展開。
価格帯も幅広く低価格帯のエントリーモデルから超高級フルシリコン製品まで揃いユーザーは予算と好みに応じてラブドールを選ぶことができます。
これら海外ショップは日本語で問い合わせ対応を行っている場合も多く、国内からの購入ハードルも低いです。
コロナ以降の需要増に伴い、各ショップが競うように割引キャンペーンや送料無料サービスを打ち出しており市場の盛り上がりがうかがえます。
最後に

2022年から2025年にかけて顕著となったラブドール需要の急増はコロナ禍による孤独感の蔓延が一つの大きな要因でした。
人恋しさや癒しを求める中でリアルなパートナー代替としてのラブドールが多くの人に受け入れられていって、その存在意義も性の代替だけでなく心の支えや創作の対象へと広がりを見せています。
技術面ではAI化やカスタマイズ性向上によって製品のリアリティと魅力が増しユーザー層も男性中心から男女問わず幅広い層へと多様化していきました。
様々なラブドールメーカーの新興ブランドの参入やKanaDollやMailoveDollといった国際的ショップの充実も相まって、ラブドール市場は今後も成長を続けていくことと思われます。
孤独が社会問題化する中、人々に寄り添う存在としてのラブドールは一定の役割を果たしてくれていると思います。
その一方で、従来の偏見や倫理的な議論も残っていますが少なくともコロナ禍以降の数年間でラブドールがより身近でオープンな存在になったことは間違いありません。
今後も技術革新とともにラブドールがどのように進化し、人々の暮らしに溶け込んでいくのか注目されていくことでしょう。

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